今年観た映画ランキングBEST10【2014】

年末恒例(2年目だけど)の「今年観た映画ランキングBEST10」です。
さっき数えたら、今年劇場に足を運んで観に行ったのはちょうど30本でした。正直もうちょい行けるかなーと思ってたんですが、今年後半でペース失速しちゃいました。
でも気づいてみれば、去年より10本多く観てますね。

というわけで、さっそくランキングに入っていこうと思います。

1位「永遠の0

厳密には「今年の」映画ではないかも。それでも「今年観に行った」映画なので、ここに入れざるをえませんでした。ほんとに素晴らしい映画です。
映画では太平洋戦争の最中、ゼロ式戦闘機に乗って戦った天才パイロット・宮部久蔵の過去を、彼の孫である佐伯健太郎と姉の慶子が解き明かしていきます。それぞれ状況は違えども、国民の一人ひとりが否応なく戦争という大きな波に巻き込まれていく姿。生と死が肉薄する壮絶な状況の中でも自分を見失わない強さ。今の平和な日本では想像するのさえ難しい。単純なお涙ちょうだいの戦争映画では終わらない、強いメッセージ性があります。岡田准一も圧巻の演技。

そして個人的に印象的だったのが、映画のラストシーン。ハンドルを握りしめ必死に前を睨む宮部の顔が、ほんの一瞬だけ見せる「あの」表情。この演出には思わず背筋がぞくっとしました。

2位「2つ目の窓」

2つ目の窓 [DVD]

2つ目の窓 [DVD]

透き通るような青い海の広がる奄美大島を舞台に、思春期まっただ中にある少年と少女の激情を描く。都会で安全かつ便利な生活を送っていると忘れがちになり、いつしか目を逸らしてしまうようになる、生命と死がすぐ傍にある日常。観た後、なんだか胸がズンとする。

はっきりいって暗い映画ですが、ちょっと落ち着いて重いテーマに向き合える余裕がある時、一度観てみるのをおすすめします。

映画の一番最初、いきなり映し出されたのは白髪の老人が山羊の首をナイフで切り、食用にするため、殺めようとするシーン。うわーこういうの苦手、早く終わらないかな。。。と思って観ていたんだけど、とても長かった。白い首に刃が突きたてられ、血が流れ出す。切り口が広がる。血がボトボトと溢れてくる。山羊は力なく声を上げる。ナイフがさらに肉を裂く、また血が溢れだす・・・

映画中もずっと、観客に媚びたところが全くない。月9のドラマのようにテンポよく会話することもなし、主人公もボソボソ喋るし、やたら間があるしで、最初は助長に感じたり苛々してしまう部分もある。でも徐々に徐々に、奄美大島とその島民のあいだにある独特の“時間の流れ”に馴染んでくる。
映画『2つ目の窓』を観て - Ust's Diary

3位.スノーピアサー

この映画の魅力はやはり「舞台設定の面白さ」に尽きると思う。
地表が氷に覆われた近未来の地球で、「世界」を乗せて走る列車、そこで起こる壮絶な階級闘争、リアルな“革命”とはこういうものなんだろうな、と思わせる容赦のないバイオレンス。見ごたえたっぷりです。

映画のタイトルにもなっている「スノーピアサー」は直訳で「雪のせん孔機」でしょうか。人工的に引き起こされた氷河期で、雪と氷を砕きながら永遠と地球を走り続ける列車です。生き残ったわずかな人類がそこに乗り込んでるわけですが、その列車の後方が最も貧しい人々が住み、前の車両は富裕層が支配している。列車の車両ごとに区切られた「格差社会」の縮図を乗せて走る。虐げられた人々は不満を募らせ立ち上がり、反乱を起こします。
映画『スノーピアサー』 - Ust's Diary

4位.青天の霹靂

青天の霹靂 通常版 Blu-ray

青天の霹靂 通常版 Blu-ray

監督はお笑い芸人/作家の劇団ひとり。「青天の霹靂」によって過去にタイムスリップした売れないマジシャンが、若き日の両親と出会い、自分生誕のルーツに触れる。芸人らしい、笑いあり涙ありの感動作ってとこでしょうか。この映画の出来云々よりも、これが初監督作品ってことが信じられないくらいの完成度。監督兼俳優やって、小説書いて芸もできるって、凄すぎる。

生まれた瞬間から唯一無二の素晴らしい存在であれたら人間はどんなにか生きやすいかと思うが、実際はそうではない。犬や猫といった動物ならそんなこと気にもかけず生きられるのに、理性をもった人間だけに与えられた因果ですよね。それは時に尊さを生むけれど、反面すごく残酷でもある。
映画「青天の霹靂」 - Ust's Diary

5位.All YOU NEED IS KILL

こういうSF要素の強いファンタジーは個人的にかなりツボです。映画全体としても破たんした部分が非常に少ない、とても完成度の高い映画。やっぱりトム・クルーズ主演作にはハズレがない!

いつものハリウッドがこういう映画を撮ると、たぶん、「宇宙からの侵略者に対し人間は苦戦を強いられていたがある時未知の強力なパワーに目覚めた主人公がさっそうと現れ敵を次々になぎ倒していき―」みたいな内容になると思うんだけど、これはちょっと違う。ただひたすら「死んだら(元の地点から)リスタート」を繰り返すという、悪夢みたいな能力だ。
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を観てきた - Ust's Diary

6位.ラッシュ

これもめちゃくちゃ面白かった。レーススタイルの違う二人の天才F1ドライバーが、チャンピオンシップを掛けて壮絶なバトルを繰り広げる。まさに好敵手ですね。

映画の割と最初の方に、ハントの「今日が人生最後の日だと思って生きる」だったかな、彼の生き方をそのまま体現したようなセリフがある。一方のラウダは、家族ができたことを喜びながらも「幸せは敵だ。失うのが怖くなる」と。
「好敵手」の条件 - Ust's Diary

7位.ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート [Blu-ray]

ウルフ・オブ・ウォールストリート [Blu-ray]

ディカプリオ節炸裂、といった様相。昨年の「華麗なるギャッツビー」からさらに3倍くらい“エグさ”を増してます。資本主義国家の頂点米国の裏の顔。これが延々3時間続くし色々ぶっ飛んでる。

ありえないくらい「ファ〇ク ユー」って言葉を連呼しまくってました。中指立てまくり。こんな映画もなかなかないんじゃないかなーと思って調べてみると、なんと映画中で506回も使われており、非ドキュメンタリー映画としては史上最多とか。いやすごいわ。
就活生はみんな『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観よう - Ust's Diary

8位.ホビット‐決戦のゆくえ

ホビット 決戦のゆくえ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

ホビット 決戦のゆくえ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

LOTRから続くホビット3部作最終章。期待を裏切らない。主人公バギンズは地味な活躍に終わりましたが、それがこのシリーズ通しての「主人公らしさ」か。

エルフとドワーフの軍勢が向かい合うシーンとか、オークとの戦いで共同戦線張るとことこか「キター!」ってかんじで。今作の良かった点をひとつだけ挙げるなら、断トツで「バトルシーン」ですよね。レゴラスも安定のかっこよさで、トーリンVSアゾグもアツい。これはシリーズ通して言えるかもだけど、敵キャラが恐いし強そうで、あと「全然風呂入ってないなこいつら」と思わずにいられない臭そうな容貌が非常に良い。化けミミズとかトロールとかもキモくて楽しい。
映画「ホビット 決戦のゆくえ」 - Ust's Diary

僕は1作目の「思いがけない冒険」が一番好き。

ホビット 思いがけない冒険 [Blu-ray]

ホビット 思いがけない冒険 [Blu-ray]

9位.白雪姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件  Blu-ray

白ゆき姫殺人事件 Blu-ray

一見地味ながら今日まで印象に残ってるのがこの「白雪姫殺人事件」。
絶対映画化前提で原作描いてますねこれ。東野圭吾の「プラチナデータ」もそう言った経緯があったようですし、売れっ子作家なら割と普通のことなのかな。そうじゃなきゃ説明つかないくらい映像化との相性が良いサスペンス映画。ツイッターと思われるSNSで呟くシーンがかなり多用されてます。面白い。

10位.ガーディアンズオブギャラクシー

宇宙の平和をかけて、今、5人の守護者が立ち上がる!―――という、いかにもなテンプレ設定で「こういうのもういいよ」と、あんまり見る気がしなかったんですが、観た。面白かった。なんつっても音楽がクールですよね。おっさんほいほい。

Come And Get Your Love Redbone 1974 - YouTube
個人的にはスター形の戦艦が合体して敵を食い止めようとするシーンが一番熱かった。



僕の観測範囲ではありますが、全体として、邦画がとても豊作だった気がします。
以上、今年の映画ランキングBEST10でした。


――――――――――

おまけ:「ニューヨーク冬物語

前情報ゼロで飛び込み鑑賞したこの映画。前半は普通のロマンスっぽくて雰囲気良いんですけど、後半のキツさがやばい。馬は羽生えて空飛ぶし愛やら奇跡やらが悪を滅する。

今年のなんじゃこりゃ・オブ・ザ・イヤー。
――――――

去年の書いた記事↓

<