「人生のピーク」に何を成すか

ふと、「人間としての人生のピーク」に何を成すか、という問いが浮かんで、それについて考えてたりなどしていた。

単なる思いつきなのでぼんやりしたイメージしかないけれど、ここでいう「人生のピーク」は、自分の人間としての、あるいは動物の一個体としてのパフォーマンスが最高潮に達する時期だ。言い換えるなら、自分の身体的な能力(体力・気力)や精神的な成熟ぐあい、あるいは頭脳が、人生でもっともよく働く、一番いい状態であるとき。身体的なことでいうなら、通常、10代後半~20代後半の10年くらいがピークだろうし、メンタル的な部分はフレッシュさと成熟度のバランスがいい塩梅になるの頃、たぶん20代後半~30代後半だろう。頭脳なら10代後半~30代前半といったところか。

身 × 心 × 知 = その人の生み出すパフォーマンス

こんな式が仮にあったとして、僕はここで最も重要なのは「身」、つまり体力や気力だろうなと思ってる。少なくともその人が直接何かを生み出すような場合に限って、体力や気力の充実具合は他のふたつより影響がデカい。ってことで勝負は20代後半だ。あとはオマケかなんかだろう。


映画『風立ちぬ』でカプローニが堀越に語りかけた言葉を借りるなら、「創造的人生の持ち時間」というやつだ。人間といえど一個の動物に過ぎないのであれば、当然その個体のパフォーマンスには浮き沈みがあるはずである。たぶん俗に天才と呼ばれる人たちほど、この壁にぶち当たり悩んできたんだろう。あの頃はよかったとか、もう才能は枯れてしまったのか、なんて言われながら自分と戦っているんだろう。

そんな天才じゃなく「普通」の人ならば、はたから見てそれほど際立ったピークなんてないので気楽かもしれない。けれど自分の人生の主役はいつも自分なので、やっぱりその人なりの「創造的人生の持ち時間」はあるんだと思う。であれば、その時間を使って何をするかという問題はけっこう重要だ。


おそらく他の多くの人にも当てはまるであろう、体力・精神・頭脳のパフォーマンスが最高潮に達する時期(たぶん25歳から35歳のあいだ)で何を成すか。人としてある意味もっとも輝ける時間を何に投資し、何を生み出すのか。生きる意味なんてそもそもないけれど、それでも何か見い出すならば「自分が一番いい状態のときに力を尽くして生み出したもの」が、あとで振り返ったとき、その答えに似たものを見せてくれるんじゃないかなんて思ったりする。

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