【2016年1月】観に行った映画まとめ
先月観に行った映画のまとめ。
「傷物語‐鉄血編」「ブリッジ・オブ・スパイ」「グラスホッパー」「ザ・ウォーク」の4本。
「傷物語 Ⅰ鉄血編」☆☆☆
西尾維新「傷物語」の劇場版3部作の第一作め。
60分という短い時間かつ、ストーリー的な盛り上がりも控えめ。バンパイアハンターと一人も戦わずに終わったことには正直がっくりきた。ゆえに「映画を観た」という満足感にはやや欠けてた印象。だけど、TVアニメとは明らかに異なる絵のタッチにワクワクしたり、細かいアニメーションの技術や映像美は流石シャフトで、最初はどこのアート系の映画かと思うほどだった(アート系映画なんて見たことないけど)。とにかく目を楽しませるという一点では間違いなくレベル高いし、よく考えたらアニメシリーズの方だってストーリーというよりは摩訶不思議な映像美を楽しむ方に重点置いてるわけで、作り方としては正しい。キスショットと暦の邂逅、忍野メメの疾走・助太刀?シーンなど見どころもないわけではないし、次も観に行こうと思うには充分かと。
syuraw.hatenablog.com
「ブリッジ・オブ・スパイ」☆☆☆☆
冷戦中の実話を元にしたサスペンス映画。
前情報ゼロで観に行ったんだけど、観終わった後スピルバーグ監督作と知ってすごい納得した。
世間の冷たい目に耐えながら職務を全うしようとする主人公と祖国への忠義を貫く囚われのスパイの友情。派手なシーンはなく画面は暗く、終始地味な場面が延々と続くのに、飽きずに見せるところがさすが巨匠というかんじ。マーベル映画のような華やかさはないがしかし、これぞヒーロー。
美学のあるやつはかっこいい。
なぜスピルバーグっぽさをかんじたかと後で考えてみたところ、『ターミナル』に非常に近いのだと思い至った。同じくトム・ハンクス主演のヒューマンドラマ。
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2014/05/14
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「グラスホッパー」☆☆
原作は伊坂幸太郎の小説。
高校生のころ「ラッシュアワー」を読んで以来、なんとなく伊坂幸太郎に苦手意識があって、そろそろ感じ方も変わってるかもと期待したけどやっぱりピンとこず。もちろん原作を読まないとホントのところどうなのかはわからないし、調べたらストーリーの進め方も原作とはだいぶ違っているらしいのだけど。観終わったあと、何とも言い難い気分になった。
物語は主人公含めた3人の人物がそれぞれ自分の思惑をもとに動く群像劇みたいになっている。サスペンス要素が多くてそこは好みなのだけど、一人だけほとんど魔法に近い特殊能力をもってる人物がいたり、唐突に、なんか哲学的な“それっぽい”セリフを言わせようとしてて意味もなく萎えたり、あと全体的に人物がなに考えてるかよくわかんなかったり菜々緒の演技だけ下手すぎて浮いてたりといまいち物語に没頭できなかった。
ただアクションシーンはかなり見ごたえありで、山田京介がならず者のアジトに乗り込んで次々とナイフ刺し殺していくシーンとかはめちゃめちゃかっこよかった。若さゆえの無鉄砲さ、がむしゃらさなんかもよく出せていたし、この映画一番と言っていいくらい好演だったのでは。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
「ザ・ウォーク」☆☆☆☆☆
1974年、NYのワールドトレードセンターで綱渡りをした男・フィリップ・プティの実話を元にした映画。
3Dということもあり映像は圧巻だった。まじで金玉縮みあがる。そしてこの映画をレンタルして家で観る意味を全く感じない。少しでも興味があれば今すぐ映画館へGOです。
ラピュタじゃないけれど、地に足をつけて生きるってのは人の本能みたいなもので、そこから逸脱したがるってのは間違いなくどこか「狂ってる」んだと思う。でも、そんな狂ったヤツらの話というのはなぜだかこんなにも面白い。地上411メートルの高さで綱渡りをすることを「美しい」と彼は言う。美しさに憑りつかれた人間が死の恐怖さえ凌駕する瞬間の、えもいわれぬ興奮。派手な音楽も刺激的なアクションシーンもない、ただ静寂の中でワイヤーの上を歩む男の姿に心打たれる。ただただ、すごい。
繰り返しますが映画館で3Dを観れるのは今だけなんで、興味があるならぜひ今のうちに。