映画「ターミナル」感想文

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映画「ターミナル」を観ました。

いきなり余談から入るんですが、最近Netflixに申し込んだんですよね。オンデマンドで映画とかドラマ観ちゃいましょうっていうアレです。Huleとかの方が日本だと有名なのかな、知らないけど。とりあえず今のとこ、なかなか快適な映画・ドラマライフが送れてます。


話を戻して。「ターミナル」は祖国政府がクーデターによって消滅してしまい、パスポートが無効になったことで米国の空港に閉じ込められた男の話。国に引き返すことも入国することも手続き上できなくなって途方に暮れたおっさんがエアポート内でたくましく生き抜き、ついでに恋までしちゃうというヒューマンドラマ。

大学で講義を受けてるとき、教授が雑談としてちらっと触れたのもあり、観たいなーと思ってたところでした。昔CMが流れてたときの印象だと、けっこうシリアスな話なんだろうと思っていたのだけど(いや実際状況はめちゃシリアスなんだけれど)、ふてぶてしくてアホっぽいのに何故か憎めない主人公はじめ、笑って泣けるコメディに仕上がっていてとても面白い。監督がスピルバーグってのも観終ってから知った。

祖国でも米国でも扱い不能な「法の隙間」に落ちてしまったビクター。これって今だとけっこうタイムリーな話題ですよね。なぜかというと、シリアの難民問題。

この映画はエンターテイメントだから実際の深刻さみたいな部分は焦点を当ててないけど、「国籍を失った人間の無力さ」を思うとぞっとする。人類皆平等という立派な理念は、国を失った人の前ではとたんに力を失う。管轄するものがいなくなる=後ろ盾がなくなるからだ。普段いかに自分がいろんなものに守られているか。そういえば日本人なら、もし海外でパスポートをなくしても「日本人であること」を証明できればなんとか帰国はできるらしい。

ここまで大きくなくとも、もっとミクロな話ならいくらでも相似したケースはありそうですよね。普通に生きていくだけでもその人間だけを見られることのほうが少ないくらい。


ってわけで、いい映画でした。以上。

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