北野武監督 『座頭市』
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去年の10月に松本人志の『R100』観たあと映画のレビューを漁ってると、北野武監督とその作品と比べて色々言われてるのをよく見かけました。そこであぁそういえば北野武もフランスでなんだかすごい賞貰ったりして「世界の北野」とかよく聞くし一回映画観てみたいなーと思ったりして、ついに観ました。面白かった。サムライかっけーっす。座頭市がサムライなのかはよくわかんないですが。
内容を一言でいえば「北野演じる座頭市っていう盲目の剣士が容赦なく敵をぶった切ってく」というそれだけのもので、さすが北野監督も芸人だけあってところどころに彼らしい大ざっぱなユーモアとか笑いどころがあったりする。僕も男だからやっぱ剣士とか武士とか大好きで、こういうの観ると今でも思い出すのが大河ドラマの『新撰組』なんですよね。香取慎吾が近藤勇役やってたあのドラマを僕がたぶん小学生のときでしょうか、毎週観てて「山南さんクールでかっくいー!」なんつって観てて彼が組の掟をやぶって疾走して山本太郎に連れ戻されて切腹するとき「死んでも憑りついてやるぞ倍返しだ!!」って叫んだの今でも印象に残ってるんですけどやっぱ武士はかっこいい。
監督わかってんなーと感じたのはいわゆる「頂上決戦」の演出で、座頭市はその煽り文の通り「最強」なんですけどそれに肩を並べる実力者がこういう映画には欠かせないわけで。そこでライバルとしてもってきたのがどこかの殿に仕えていたけれど今は主人をなくして浪人となった剣士、しかも奥さんが病気でその治療費を稼ぐために命令されるがまま人を切ってるという男なんですが、彼はとても強い。もうひとりそこそこ強いと目されていた人も比較的あっさり切り捨ててしまってしかもイケメン。そんな彼でも一度だけ敗れたことがあって、その劣等感に苛まれているってエピソードもむしろそれを乗り越えた今がある、ゆえに今は違うのだという彼の強さを強調するものにしか見えないのでとにかく彼は強い強いぞと見てるものに思わせる。そこまで盛り上げておいてから波打ち際で座頭市との頂上決戦に臨むのです。
武士が日本刀で切り結ぶのは見ごたえあります。互いに息を止め数秒の静寂のあと素早く剣を抜きそして交えまたこれも数秒たらずで決着がつきその目にメラメラと炎を燃やしていた腕の立つ剣豪が3秒後には息絶えている。強い者だけが抜いた剣の血をぬぐい鞘に納めることができる。あとはあの独特のリズムもポイントな気がしていて、シャキンシャキンズバ!っていう戦いのリズムの取り方が上手いと武士の勝負は映える。常に全力で打ち込むんではなく雑魚は雑魚として流しつつコンパクトに、決めるときは一気に振りぬくみたいな抑揚のきいた戦いのリズムがあると観てる方も気持ちいいですね。
サムライかっけーな!という話でした。
では。
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