最強の「文化継承装置」

ふと思い出した話。


いつだったかは忘れたんだけど、たぶん去年。末の弟とお風呂に入ってたんです。
一緒に湯船につかりながらいろいろ話してたら、弟が突然「森のクマさん」のメロディに乗せた替え歌を歌い始めた。

あるーひんけつ♪ 森のなカンチョ―♪ クマさんにんにく♪ 出会っタンソク♪

もう思いっきり吹き出しました。「それまだあったんかい!」みたいな。僕が小学生の時も確かに同じ歌が流行ってた。流行ってたといってもまぁ一部ですけど。あれくらいの年の男子はこういうくだらないこと大好きだし、何を隠そう自分も歌ってたからよく知ってる。僕は弟と同じ小学校出身。弟とは10年以上世代が違う。にもかかわらずこれだけ正確無比に、こんなくだらない替え歌を継承してるってすごくないですか?びっくりですよ。


おそらく僕がこの歌を聞いていた当時よりもっと前に誰かに「作られた」歌なんだろうなと思うし、ってことはこれ、いったい何年間むじゃきな小学生によって継承されてきたんだろう。少なくとも15年、あるいはもっと前からでしょうか。


たぶん上級生が歌うの聞いて、1・2年生の間で一気に広まるんでしょうね。考えてみれば小学校の頃って意外と縦のつながりが多かった気がします。通学班とかあったし、そこで教わったのかもしれない。あとは上級生の兄弟がいる友達は、そういう情報たくさん持ってましたね。そうやって代々受け継がれていく替え歌文化。よくできたシステムです。


一時の流行歌なんて比じゃない、超ロングセラー。


それにしてもこの歌、地域的にはどれくらいの規模で広まってるんでしょう。仮に全国規模で広まっていたとして、小学校という閉じた空間の中にいる子供がどういうルートでこの歌を共有して、継承してきたんだろう。謎だ。


子どもの替え歌傑作集 (平凡社ライブラリー)

子どもの替え歌傑作集 (平凡社ライブラリー)

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