ルワンダと日本

ルワンダの虐殺」から20年

大虐殺から20年 「奇跡」と呼ばれるルワンダの発展 (WEDGE) - Yahoo!ニュース
読みました。


ルワンダの虐殺」とは何か、ご存知でしょうか。

ルワンダ虐殺は、1994年にルワンダで発生したジェノサイドである。1994年4月6日に発生したルワンダ大統領のジュベナール・ハビャリマナとブルンジ大統領のンタリャミラの暗殺からルワンダ愛国戦線 (RPF) が同国を制圧するまでの約100日間に、フツ系の政府とそれに同調するフツ過激派によって、多数のツチとフツ穏健派が殺害された。正確な犠牲者数は明らかとなっていないが、およそ50万人から100万人の間、すなわちルワンダ全国民の10%から20%の間と推測されている。
ルワンダ虐殺 - Wikipedia

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ルワンダの虐殺」はアフリカの小国・ルワンダで起きたジェノサイド(集団殺戮)。ルワンダの二つの種族、「フツ人」と「ツチ人」に分かれて内戦状態になり、一般市民までが互いに殺し合った悲劇です。引用にもあるように、たった約100日の間に100万もの人々が犠牲になりました。


大量殺戮と聞いて大抵の人がすぐ思い浮かべるのが、ナチスドイツ、ヒトラーの「ホロコースト」でしょう。ホロコーストでは銃殺や、ガス室での大量殺人が行われました。


ルワンダ虐殺」とホロコーストの大きな違いのひとつは、殺戮の「規模」です。ホロコーストが銃やガス室で、一度に何百人という人々を処刑するのに対し、「ルワンダの虐殺」では一般市民同士が自ら、銃や化学兵器ではない、「斧」や「包丁」を手に一人ひとり殺していったのです。女も子供も、種族が違うと言うだけで殺し合った。ホロコーストのような殺戮の「規模」はないにもかかわらず100日間で100万人が犠牲になるほどの、血で血を洗う地獄のような出来事がアフリカの小国で起きた。身勝手な植民地政策を推し進めた先進国の大罪。想像するだけで恐ろしく、悲しい出来事です。


ホテル・ルワンダ』という、このジェノサイドを描いた映画があります。

ホテル・ルワンダ [Blu-ray]

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あらすじ:ホテル「ミルコリン」の支配人ポールは、ツチ人の妻や家族、親類、近所、そして辛くも逃れてきた、行き場のないの人々を自分のホテルに避難させ匿うことになる。フツ人の過激派から今にも襲撃されかねない状況の中、有名ホテルオーナーとしての人脈や巧みな話術をもちいてギリギリの駆け引きと機転で1200人の命を救う。

もちろん実話で、アカデミー賞ゴールデングローブ賞も取り高く評価されている作品です。

いつ死ぬかもわからないような状況の中、やろうと思えば自分とその家族だけでも亡命して助かることができるのに、ホテルにとどまってたくさんの人々を救う勇気。僕にはできないなと思う。内戦の悲痛と恐怖。そこで描かれるポールさんの意志の強さ、機転、人としての温かさは感動です。極端に残酷なシーンはなかったと思います。おすすめです。

資源なんてなくていい

冒頭のヤフーニュースによると、ここ数年でルワンダは目覚ましい経済発展を遂げており、毎年8%前後の成長率を誇っているそうです。そこで気になったのが下の文。

アフリカにおける経済成長国は、資源国と同義であるケースが多いが、同国に鉱物資源はほとんどない。内陸国というハンデも抱えながらの成長は「アフリカの奇跡」と評される。

僕はこれを読んで「日本と同じだ」と思いました。素人考えですけどね。


どこが気になったかと言うと、二点あります。まずは「同国に鉱山資源はほとんどない」という部分。もうひとつは「アフリカの奇跡」です。


日本が石油や天然ガスといった資源の乏しい国だというのは周知の事実です。にもかかわらず日本は戦後目覚ましい経済発展を遂げて、世界トップの先進国になりました。日本の場合、その経済発展を支えたのはものづくりの「技術」です。

一方のルワンダはIT大国として頭角を現しているという。アフリカの他の経済成長国が鉱山資源豊かであるのに対し、ルワンダも資源はない。それでもこうして経済が豊かになり、政情も安定してきているとか。このことは「アフリカの奇跡」と呼ばれているようです。日本の発展ががかつて「東アジアの奇跡」と呼ばれたのにそっくりです。⇒東アジアの奇跡 - Wikipedia


日本は資源がなくて本当によかったと、僕は思います。もし日本に石油や天然ガスがたくさんあれば、確かに経済的には豊かになれたかもしれないけれど、今のような「技術大国」としての日本はなかったでしょう。メイドインジャパンの信用とブランドも、資源のない中必死で頭と手を使って頑張ってきた日本人がいたからこそ生まれたものです。

もし下手に資源なんかあったら、戦後すぐに独立するなんてゼッタイ無理。占領国が許すはずもないです。アメリカとロシアに食いつぶされるか、もっと悪ければ中東のような紛争の絶えない地域になっていたのでは。

資源がなくても奇跡は起こせるってことです。
ルワンダの虐殺」は悲しい出来事ですが、こうして国民の手で国を豊かにしていけば、同じことは繰り返されることはないだろうなと思います。国が豊かなら、人にも余裕が生まれる。

お金って大事だなー。

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