『君と僕。#14』を読んで

君と僕。」の14巻を読みました。今回のすごいよかったです。
君と僕。」は愉快な(?)高校生5人組の青春グラフティ。読むとなんかしらんキュンキュンするんで大好きです。


「君僕」は高1のころ友達に教えてもらって、そのころからずっと読んでる。この漫画はとにかく刊行ペースが遅くて、当時から数えてもまだ6か7巻くらいしか出てない。掲載されてる雑誌は「ガンガン」のどれかだったと思うけど、たぶん月刊誌なんでしょう(コミック派なんでそっちはノータッチ)。

漫画の中では、1巻がたしか高2の春からはじまってて、14巻かけて今高3の夏。高2の夏は何巻だったかな。5巻くらいだったような。そこでもう高校生っぽいイベントはあらかたやっちゃってたはずだし、まぁ要や悠太らも受験生だしで二周目の夏をどうすんのかなと思ってたら、主人公たち一人ひとりに丁寧にスポットを当ててくかんじで個人的にすごいよかった。

やっぱ「最後の夏」なんですよね。大学編はやっぱないのかぁ。これ終わっちゃうともう、ひと山越えた感じになっちゃうんだろうなと思うと寂しい。まぁ刊行ペースおっそいからあと3年くらいは楽しめるはずなんだけど。

Scene62‐夏色

夏は受験の天王山。千鶴たち高校生は夏休みも補修に駆り出される。
そろそろ受験する大学も決めなきゃいけない時期だけど、将来なりたい職業も特にないしどうしましょう。まぁ夏ははじまったばかりだし、のんびり行きましょう。みたいな話。このゆるーいかんじがイイ。

僕も高3の夏は補修行ってたなーと懐かしくなったんですが、まぁ勉強するためってよりはただみんな行くからそれに流されて、ってほうが普通に大きかった。いちおう行きたい学部くらいは決めてたけれどそれも特にしっかりした理由があったわけじゃないし、担任との三者面談でてきとうに答えたらそのままその方向目指していくことになったとか、そんなんだった。いわんや「なりたい職業」をや。

ただ僕の高校はなぜか伝統的に教師になりたい人が毎年多くて、僕の学年もまた教師志望がけっこうな数いた。旧帝大とか入れる学力あるのに教育大行くってくらいはっきり進路決めてたやつもいたし、すごいなぁと思いつつ自分は教師になる気はしなかった。

「夏は受験の天王山」っていうけど、天王山ってどんな山なのかどこにあるのかも知らないままだ。エベレストじゃあるまいし意外としょぼいんじゃないのって今なら思っちゃうけど、当時は字面だけで「天王山か・・・やばいな・・・・だって“天王”だぜ・・・?」みたいな謎の畏怖がありましたね。

Scene63‐goodnight goodnight

千鶴の家に近所の小学生の男の子が泊りに来ましたって話。

短いし「昼間はやんちゃしてるけど夜はやっぱ一人じゃ怖いよねそのへんガキだよね」ってだけ。まぁ見たかんじその子は10歳くらいなんですけど僕の弟もまだそんなかんじです。

たまに実家帰ると夜一緒に寝るんですが、この話みたいに並んで寝たりはするものの、最近は僕がくっつこうとすると普通に拒否られるんであれれー???ってなること多い。夜寝るとき当然のごとく布団入ってくるのに抱き枕がわりにされるのは嫌らしい。スマホで動画見ようぜって誘うと食いついてくるんですが、それが終わると素っ気なくなりたちまち就寝。ワタシ遊ばれてるの・・?僕は仕方なく弟のお腹をぷにぷにするに止めて寝ます。あれめっちゃさわり心地いいので。(お前も遊んでるだろ)

Scene64‐キミハトモダチ

悠太と千鶴がお買い物行く話。
前巻からの流れを受けて、「実は千鶴がちょっと苦手な悠太」を描く。

友達は何人かのグループでつるんでると、中にはそこまで仲良くないやつもいたりしますよね。一人仲良いやつ挟んで3人で話してると盛り上がるのにそいつ消えた途端あんま話すことなって気まずい・・・みたいな。そういうのってお互いなんとなくわかってるから、なるべく二人きりになるのは避けたくなる。いわんや「二人で遊びに行く」をや・・・でもこの話の場合千鶴はそこんとこあんまり意識しないタイプ。(悠太ははっきり意識してる)

大学入って最初の夏に高校の友達が泊りに来たことあったんですけど、そのうち一人はまぁ普通に仲好くて、もう一人は正直それまで「友達の友達」って感覚だった。間に誰か挟んで話すには楽しいけど、二人だとアレだなって奴でした。
でも泊りに来て家でちょっとお酒とか飲みつつボードゲームとかしつつ喋ってると意外と面白かった。あれ、意外といけるな、と。でもまぁ今限りの雰囲気かもなと思いつつお泊り会最終日になったんですけど、その夜に明かり消して就寝モードに入ったところでなんとなく話してたら、恋愛トークになった。僕は普段はしないしそいつらもあんまするような奴じゃないって勝手に思ってたんですがこれがすごく楽しくて、この際だから腹割って話してみようって色々喋ってたらそいつも乗ってきて、結果的に朝方までほとんど寝ずに話してた。半分興奮状態だったけど、なんというか単純な「楽しい」とか「おもしろい」を越えたところですごく幸せな気分になったのを覚えてます。

そいつとはそれ以来心理的な距離はすごく縮まった気がしてる。二人で話してても少なくとも気まずくはない。相性ってあるよねと思うんですけど、距離を縮める勇気も必要だし、きっかけがあるとそれひとつで変わったりするんだなって思った。

ってのを思い出しました。

Scene65‐お父さんといっしょ

父親がどうも苦手な悠希がなりゆきで一緒に夏祭りに出かける話。

父親との関係性って他の人どうなのかなってのはたまに考える。そりゃ人それぞれでしょうが、特に息子と父親の関係性ってみんなどうなんだろうと。小さいころからすごく仲良いって人も中にはいるんですかね。
僕の場合だと父は昔から無口であんま喋らないし、頑固親父じゃないけどお世辞にも仲良いとは言えなかった。まぁ普通に夏は海行ったりプール行ったりBBQとかしたり、冬はスキーも行ってたし色々体験はさせてもらってたんだけど、あんまり一緒にはしゃいだりはした記憶がない。たまに一緒にはしゃいでても、普段の生活に戻るとまた話もしなくなったりでした。

が、これも今はまた変わってきてて、たぶん家族で一番フランクに父と話せるのは僕だろうってくらいにまでなっている。明らかに変わったのが大学入ってから、それよりちょっと前だと浪人を決めたときと浪人してる間に二人で話すことがちょっと増えて、それからってかんじ。
それまでほとんど僕の勉強やら高校の話やらには無関心ってかんじだったのに、浪人するとなった途端なぜか色々話すようになった。たぶん予備校代出すのも結局は親、つまり父だしってのもあったのかなと。僕も受験云々の話は母より父の方がしやすかったし、信頼もしてたのかもしれない。

大学入ってからは明らかに父と話す時間が増えている。これもまた少し前まで二人で話すことさえ嫌だったのに今では抵抗がない。話す話題も、だいたいは父の関心ごとに僕が付いてくかんじなんだけど、割と僕の関心ごとの範疇だったりもするので盛り上がる。

動きようがないと思ってた人間関係でさえ少しずつ変わっていくんだなと、しみじみ思いますね。



君と僕。 (1) (ガンガンコミックス (0602))

君と僕。 (1) (ガンガンコミックス (0602))

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