最近のミスチルも「CD販売至上」から「ライブ動員数」路線へ変化してる


これを読んでちょっと思うことがあったので、書いてみる。(椎名林檎はあんま関係ないです)


僕はMr.Childrenの音楽がけっこう好きで、他のアーティストも聴かないわけじゃないんだけど、なんだかんだファン歴は一番長い。といってもせいぜい5年くらいだが、ここ1,2年、実際はおそらく4年くらい前から、ミスチルというバンドの経営方針というのか、変わってきてるのかなと感じてた。それは主にCDの販売と、ネットの動画サイトとの関わり方みたいな部分に現れてきてると思う。結論から言うと、上の記事で

「もうCDはダメでしょ」と、CD売り上げが落ち込んでいる現状に触れ、キャバレーのような生で音楽を体験できる場所が重要だという持論を展開した

椎名林檎が言ってること、少なくともミスチルに関してはその通りだと思う。日本のアーティストとしては(過去の記録も合せて)CDの売り上げでトップセールスであるはずのミスチルでさえ、CDはほぼ捨てて、ライブ重視の活動にシフトしてる。


僕がミスチルというバンドを追いかけはじめたのが2009年。前年の12月にアルバム『SUPERMARKET FANTASY [通常盤]』を出してすぐの時期だが、今思うとこのアルバムを境に「CD販売路線」とは別方向にハンドルを切っている。当時のことはよく覚えてるんだけど、ミスチルいいな~と思い始めたばかりで「次の新曲は何だろう、いつ出るだろう」「TV出演はいつするんだろう」なんて思ってたら、全く音沙汰なし。なんなんだよ!ってかんじだった。流石にミスチルってバンドがかなり有名なことくらいは知ってたから、2009~2010年末くらいまで配信の曲がひとつだけで、次のアルバムがいつ出るみたいな情報さえなくて、まさか活動停止しちゃうのかなとすら思った。ファンになってすぐ解散とか、悲しすぎる。

そんなかんじでもやもやしてたら、2010年12月、ほとんど前情報なしで次のアルバムが発売。これが『SENSE』。「HANABI」や「GIFT」など派手にCD売ってたシングルがてんこ盛りだった前作のスパファンと対照的に、SENSEの収録曲にシングルは一切なし。事前に知り得た曲は配信限定曲がひとつと、『Mr.Children/Split The Difference [DVD]』っていうドキュメンタリー映画のエンドロールで流れた曲のみ。タイアップはほとんどなかったから、売上枚数はミリオン突破した前作の半分くらいに落ち込んだと思う。


何故わざわざそんなことするのかよく分からなかったけど、たぶんひとつには「派手なタイアップ抜きで、純粋に音楽の良さで勝負したい、売り上げたい」ってのと、もうひとつは「これからはCDで勝負しません」っていう意思表示だったのかもしれない。


続いて2012年にはシングル3曲『祈り ~涙の軌道 / End of the day / pieces』を発売。12年のミスチルはわりと精力的に活動してて、新曲もこのシングルと合わせて6曲発表し、年末にはアルバム『[(an imitation) blood orange](初回限定盤)(DVD付)』を出した。TVにもちょくちょく出ててた。けどアルバムと最初のシングルを除けばCDは出してない。

13年はライブで全国回ってたのと次のアルバムの制作に取り掛かってたみたいで、新曲は配信限定の『REM』のみ。ただこの曲からミスチルYoutubeに公式チャンネルを作り、過去のPV、MVを無料で公開するようになった。REMもフルバージョンで、Youtubeにアップされてる。

Mr.Children Official Channel - YouTube

以前どこかで読んだか聴いたかしたんだけど、ミスチルはやっぱり過去に比べ明らかにCDの売り上げが落ちてる。でもそれと対照的に、ライブの動員数はどんどん増えてるらしい。理由はやっぱりYoutubeに上がってるライブ映像を見た人がたくさんいて、そのおかげでCDは買わずともライブには行きたいっていうライトなファン層が増えたかららしい。

Mr.Children(ミスチル)のシングル売上枚数情報。

ライブの動員数では、ミスチルは嵐やBIGBANGに次いで6位。

「ライブ動員数」で見るアーティストの実力 :日本経済新聞

新アルバム発売ごとに行われる全国ツアーライブの会場数も、05年は5会場10公演だったのが13年のは20会場40公演。ここ数年ライブは明らかに増加傾向だ。
⇒「Mr.Children - Wikipedia、ライブ・出演イベント」



音楽を聴くこと自体は動画サイトで充分、公式チャンネルもある。だからCDは買わないけれど、アップされてる動画にはライブの映像がすごく多い(事務所も削除要請してない)し、公式サイト自らDVDに収録されてる映像をアップしてる。ミスチルの曲聴こうとYoutubeを見に行って、動画見て―ってしてたら、ミスチルを気に入った人は少なからず「ライブに行ってみたい」と思うのが普通だろう。


まとめると、CDは売るけれど、これからそれはあくまでサブであり、「コアなファンに向けて」。つまり数多あるファングッズのone of themに過ぎなくなってきている。曲を聴くのは配信か動画サイトで充分なはずで、今やわざわざCDという「モノ」を手元に置きたいなんて思うのは相当好きな人だけっていう実情を踏まえてのことだろう。その代わり、ライブ映像を無料で公開することで「ちょっと行ってみようかな」と思ったような人、ライトなファンを増やして、ライブの動員数を増やす。グッズも買ってもらう。

収益確保は

これまで:
コアなファン+ライトなファン⇒CDを買う、コアなファンのみライブへ行く

だったのが

これから:
コアなファン⇒お布施としてCDやDVDを買う、ライブに行く 
ライトなファン⇒ライブへ行く

ってかんじになるのかな。
方向性としてはこんなところなんだと思う。

ちなみにまだ発売前のシングル『足音 ~Be Strong』ですら、もう公式がフルバージョンのMVを公開してる。曲を聴きたいだけならもうCDを買う必要はない。


ってことで、こんなこと他のアーティストもやってるよとか、今さら何をみたいなことかもしれないけれど、僕がミスチルについて分かるのはこれくらい。CDの今後については分からんけれど、これだけデジタル化が進めばいずれにせよCDはなくなっていくと思う。僕はミスチルの新曲出れば、相変わらずCD買っていくつもり。



足音 ~Be Strong

足音 ~Be Strong


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身から出せ錆! suzumoku(スズモク)

ふらふら~っとネットサーフィンしていたら、suzumokuというシンガーソングライターを発見。Youtubeで曲を聴いてみたら、思いのほかガッツリ心を掴まれてしまった。

http://natalie.mu/media/1105/0519/extra/news_large_suzumoku_art.JPG
ナタリー - suzumoku、新作は全曲エレキギター弾き語りアルバム


今日見つけたばっかりなので、suzumokuさんのことは全く詳しくありません。知らない人は、何はともあれ一曲聴いてみて欲しい。めっちゃCoolです。何曲か聴いて特に気に入ったのは下の4曲。

Pupa(蛹 -サナギ-)


Pupa(蛹 -サナギ-) / song by suzumoku(スズモク) - YouTube

目標を追いかけるでもなく、だらだらと自堕落で鬱屈とした毎日。生きたいわけじゃないけど死にたくはない。今の自分は「サナギ」だから、いつか目覚めるはずだ・・・という歌詞。
引きこもりやニート、夢破れてしまった人の孤独な気持ちを歌ったものだろうか。投げやりでアウトローな曲調が耳に残る。ズンチャズンチャ♪

「もっと頑張れ」と言われるその度に 僕の傷口はひどくなるみたいだ
「何がほしいの?」と言われたらすぐさま 
そいつのすべてを奪いたくなるだろう


例え雨が降ろうが槍が降ろうが ひび割れることもない毎日
指を咥えながらも目覚める日を 思い描くサナギ

HOPE(ホープ)


HOPE(ホープ) / song by suzumoku(スズモク) - YouTube

“HOPE”はタバコの銘柄?
変わり映えのしない地味な毎日を一緒に過ごす相棒の歌。
タバコは吸わないけど、これ聴いて一服ふかしてみたくなった。
MVの漫画読んでみたい。

流し台の水垢が
不摂生な生活を 起き抜けの僕にだけ そっと警告してる
寝癖も直さないまま 手に取るマッチとホープ

Modern Times(モダン タイムス)


Modern Times(モダン タイムス) / song by suzumoku(スズモク ...

一転して鋭い社会風刺。
テレビにネットに仕事に、踊り踊らされ自分を見失っていません?しっかりしろよ!と尻に蹴り入れる曲。めっちゃ好き。

suzumokuさんが曲の途中で早口でしゃべりだすのも面白い。ミスチルの「Everything is made from a dream」を思い出した。

茶の間で煎餅咥えてぼんやりニヤけるそこのアンタ
手の内見せないメディアの罠にまんまとハマってませんか?

やばい・・・俺のことじゃん。

「ぶっちゃけ仕事だりぃよな」平社員のツイート
「だよねだよね」の返信にテンションを上げる
煙草を一本吸ったら辞表でも書こうかと
頑張る部長を尻目にケラケラと笑う

5年後には自分もこんなかんじなんじゃなかろうかという予感を思わず振り払う・・・
仕事だりーとか言ってるやつに限って、うだつの上がらない平社員だったりね。

身から出せ錆


suzumoku-身から出せ錆(歌詞つき) - YouTube

僕のイチオシ。
自分のしたこと、していること、あるいは何もしてないことの結果から「出てしまう」のが「身から出た錆」。だったら開き直って、自分のダメさ弱さ臆病さを認めてしまえ、自分で「錆」を出してしまえ、という曲。指摘される前にぶちまけちゃったほうが楽だぜって言ってるようにも聞こえるし、それもそれでまた臆病っぽい。
「Pupa(蛹)」に似た系統だけど、こっちのほうが開き直ってる分前向きなかんじ。

差し込む褐色の西日も影を伸ばす

たったそれだけのことで焦るその心は 焦るだけマシだと思いたいだけ
毒が回る前にバラしましょう 素直になれなかっただけだと



その他も良曲ぞろい↓

Weekend(週末)


Weekend(週末)/ song by suzumoku(スズモク) - YouTube


今日初めて聴いたのに、すでに頭の中で「身から出せ錆」が永遠リピートしてる。まだあんまりメジャーじゃなさそうなのもいい。完全に惚れちゃったので、応援の意味も込めてCD買ってみようかなーと思ってます。

ツイッターもやってるみたいです
Twitter suzumoku


80/20 -Bronze-

80/20 -Bronze-

最新アルバム。

コンセント

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ファーストアルバム。

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