30代独身女子殺りく漫画:『東京タラレバ娘』

Kindleセールでみつけた漫画が面白かった。
たぶん“面白かった”とか言ってられるのは僕が20代前半男だからであって、独身女性にとってはホラーでしかないのかもしれません。

「気がついたら30歳こえてて恋も結婚もいき遅れ、毎晩呑んで傷を舐め合う女子3人組」が主人公。内容はひたすらエグい。作者さん刺されたりしないかな?ってくらい独身アラサ―女子を本気で殺しにきてる。コミカルで面白いしめっちゃ笑えるんですけどね。
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“女性”になりきれずいつまでも“女子”のまま、な人たちに現実を突きつけるよう。僕は思うに、人それぞれ事情もあるし独身ってだけで悪いわけではなく、また年をとれば30代にもなるからしかたない。けれど、いつまでも夢見る少女じゃアカンということでしょーか。こういうのって男にはあまりない感覚なんですよね。男はむしろ30代が旬でしょとなんとなく思ってる。若さなんて男社会じゃなんの役にも立たないし、対女性にもあまり有効なイメージはないから。とはいえ、男だっていつまでも一人は嫌ってのは変わらないと思うんだけど。


そういえば主人公らがいつまでも少女をぬけだせない要因として「女子会」が描かれてるようにも感じた。楽しそうに恋バナしてる女子って大学はもちろん高校にもいたし、てかよく考えたら中学にも小学校でもいた。女子じゃないんで知りませんが、ずーーーっと女子会っぽいことして生きてきてるんですよねたぶん。そりゃ抜け出せねぇわと。思わなくもない。


男も恋バナっぽいことするっちゃするけど、もっと明確にソロプレイの実力次第なんですよね。周りとレベルにバラつきがあったって気にしない。それぞれがそれぞれのレベル上げをするために情報交換はするし、ギブアンドテイクな関係も築くけど、足並みそろえようなんて露ほども思っていない。協力ってのも、レベルが上の人が下の人にアドバイスする、って構造がほとんどのような。

女のほうは、漫画読んでるかんじだとやっぱり足並みそろえて進みたい。女子会も基本は同じような境遇同士が同じようなレベルの悩みを共有して、コンディションを整える場ってかんじがする。別に最適解出すのを目標としてるわけじゃなさそうなあたり、情報の正確性とか戦略を吟味する男の会合とはハッキリ別もの。
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日本も少子化でみんな結婚しなくなって、価値観の多様化だとかなんとか言ってるけれど、結局はこんなふうに苦しんで何も自由じゃないなぁと思う。むしろ人生の道筋がはっきりしてて、それを補助するレールも整備されてた時代のほうが生き方に迷いがなかったに違いない。「自由であること」が向いてる人ばかりじゃないのだろう。まぁとかいってても詮無きことだし、30代独身結婚したい女子の皆さんはこれ読んで一回死にましょう。“夢見る少女”の自分を殺して“女性”として生き返る。まずは現実みすえなきゃ始まらないってのは男も女もおなじです。たぶん。

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