映画『鍵泥棒のメソッド』感想文

鍵泥棒のメソッド [DVD]

「私、結婚することにしました」
「・・・・・・あの、お相手は？」
「まだ決まっていません」

開始2分で完全に持っていかれる映画ってそうそうないと思う。
どうやらヒロインらしいその人物がどんな人間なのか、周りからどう思われているのか、そしてこれがどんな映画なのか、観る人はすぐさま理解するだろう。「あ、これ絶対面白いわ」という直感にも似た確信。

ヘンなやつが真面目に何かに取り組むことで生まれるシュールな笑い。面白いし爆笑必至なんだけれど、ちょっと怖い。なぜならそれが、完璧に計算された上でのシュールさだと分かるから。冷静に考えたらおかしいことだらけなのに妙な説得力があるので、なんだかよくわからんままに主人公たちに感情移入してしまう。超きめ細かい演出とシナリオの力だろう。内容は何かあるようで何もない気もする。ラストシーンも面白くて、あたかも「んなわけあるかい！！！」と映画そのもの、ついでに観てる人にも強烈なツッコミを入れるような、そんな終わり方。よく知らないけどこの監督、絶対血も涙もない人間ですよね（言いすぎ）

なんか思ったより感想出てこなかったけど超面白いので、まだ観てない方はぜひ。僕はしばらく内田けんじ作品を漁ることになりそうです。

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