映画『トランス・ワールド』

映画『トランス・ワールド』を観ました。
トランス・ワールド [DVD]

7点/10
レンタルですが、今年3本目の映画。こういうミステリー物は本も映画も大好きです。

見知らぬ森に迷い込んだジュディ、サマンサ、トム。3人は殺風景なその森にぽつんと立つ小屋で身を寄せ合う。3人は一見境遇もバラバラだし、そこに迷い込んだ経緯も違った。しかし辺りを探索する中で次々に奇妙な点が浮かび上がってくる。謎の防空壕、年代物のワイン、銃声。どこまで行っても、森を抜けられない。それどころか―――


ここはいったいどこなのか?


次第に明らかになってくる3人の奇妙な共通点。そこへ「4人目」がやってきて・・・

こんな感じのミステリー映画。でも観終わってみればSFでもあり、ホラーでもある感じ。


話にこれといった盛り上がりはないものの、常に緊張感があって飽きませんでした。また伏線とその回収は、この映画の一番の見どころでしょう。パズルのピースは慎重に何気なく、自然に忍ばせてあります。解けそうで解けない謎、というかそもそも「謎」だと認識していなかったところが本当の謎です。

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当人たちは当たり前だと思っていたこと、共通認識だとおもっていたことがそもそも間違いで、それこそが謎を解く鍵だったりする。前提にあることを最初に共有していなかったが故の行き違い、勘違い。全員同じものを見ていると思っていたのに、実は全然違うものを見ていた。そんな盲点に謎を忍ばせています。上手い。


この辺のトリック、現実でも似たようなことがありますね。ある人から見た「A」という事象・出来事が、違う人から見れば「B」に見える。そういう時ってお互いに自分の見方だけ主張してても一向に話は進まないのは当然で、もっと深いところの、一番下の大前提から疑ってみなきゃいけない。


あとはラストにもってくる“種明かし”も見事でした。とは言ってもすっきり解決、というわけではなくて、余韻を残すところもいい。

話は全く違うのだけど、去年観た映画『オブリビオン』に、ジャンルとしては近いかもしれない。
「SF+ミステリー」という意味で。ただ『トランス・ワールド』はミステリーの要素が強い。

とにかく面白かった。おすすめしておきます。

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