宗教とは何か、簡潔に説明してみた

今年の正月、実家にいる間に弟の冬休み帳を見てあげてました。その一つに音読課題もあったんだけど、それが“大晦日”に関する読み物を音読して親(その時は僕)にサインをもらおうというものでした。それによると大晦日の“晦日(みそか)”は「三十日」、つまり月の最後の日って意味らしい。で、その中でも12月31日は最後の月と日が重なる最後の日だから、“大”が付いて「大晦日」なんだとか。知らなかったー。


まぁこういう雑学っぽい内容なんですが、その中で「仏教」って言葉が出てきたんです。弟はこの読み物をたらたら~っと音読してたんですが、意味分かってんのかなと思い「仏教って何?」って聞いてみました。そしたら案の定「知らない」と。


まぁ小学校の低学年なら仕方ないかと思って説明しようとしたんですが、これが意外と難しい。


これが中学生とかならちょっと小難しい言葉を使ってもなんとかなるんでしょうけど、相手は小学生です。相手のもってる語彙に合わせて、その範囲の言葉を組み合わせて簡潔に説明しなきゃいけない。それに実を言うと、簡潔に説明しようと思ってからパッと答えが出てこなかった。まぁ面倒だし、ふざけようと思えばいくらでもふざけて適当なこと言えるんですけど、そこはお兄ちゃんの威信にかけてきっちりシメとこうと思ったわけです。


色々考えたあげく、まずは「宗教」って言葉から説明しなきゃいけないと気付いた。それで「宗教ってわかる?」って聞いたら「イエス・キリストでしょ」というお答えが。具体例ではあるけどなんとなくわかっているらしい。「それの仏陀バージョンだよ」と教えてもよかったんだけど、「宗教」って言葉そのものをここで理解しとけばあとあと応用が利きそうです。なので仏教じゃなく「宗教」が何かを説明することにした。


一応Wikipediaあたりを調べてみたんですが、とても小学生への説明に使えるものじゃない。結局自分で考えて、「人が神様を信じて、願ったり祈ったり感謝したりすること」と説明。弟からは「ふーん」という悲しいリアクションが返ってきました。


もうちょっといい説明があるよなぁと当然思うんですが、あの時僕にできたのはこの程度でした。逆に言うと僕自身、「宗教」という言葉・概念に対してこの程度の認識だったと初めて気づいたんです。


いつも当たり前に使っている「宗教」って言葉ですが、「小学生にもわかる語彙レベルで」「簡潔に」説明しようとすると、余計なものが全部削ぎ落とされます。誤魔化しがきかないんですよね。しかも小学生って知識はないかわりに観察力はかなり鋭いので、ふわっと説明して濁しちゃうと一発でバカがばれる・・・


というわけで、予想に反しかなり難しいミッションでした。


ここからわかったこと:

「小学生レベルの語彙で」「簡潔に」抽象的な概念を説明するのは大人でもかなり難しい

説明するとき余計なものは自分で削ぎ落とすから、「自分はその言葉をどう捉えていたか(認識していたか)」が明確になる。


そう考えると小学校の先生ってすごいですよね。根気もいるし、かなりの国語力を要求されそう。小学生に上手く説明できれば他の誰にでも伝わりそうです。

*追記*

読んでくださった方のコメントをまとめてみました→宗教とは何か ? 色んな見方・考え方があって面白い - ゆーすとの日記

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