増加する草食系男子、日本社会から覇気を奪う―華字メディア
こんな記事を見つけました。ちょっと古いけど。
草食系男子って言葉、「男子」というからにはちょうど僕の世代、たぶん主に10代後半~20代前半で恋愛に消極的な男性を指してこう呼ぶんでしょう。今まであまり真剣に考えたことなかったんですけど、ふと気になって語源を調べてみました。
恋愛に「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした「草食男子」(Wikipediaより)
提唱者の深澤真紀さんという方によると、上のような男性が「草食系男子」らしい。
さて、あくまで僕の周りの友人と学生生活(クラスメイトや部活・サークルの先輩・後輩など)での経験からではあるんですが、たしかに「草食系男子」が多いと言われればそんな気もする。ただはっきりしてるのは、「肉食系男子(恋愛に積極的な男性)」もちゃんといるってことです。
で、「草食系男子」関連の話で僕が思うのはだいたい次の3点ですね。
(1)男子全体の傾向として「草食化」は間違っていない(まんべんなくみんな草食化している)
(2)「草食系の増加」というより「二極化」が正しそう(グレーゾーンが少なくなった)
(3)価値観が多様化して、たまたま草食系男子にスポットが当たった
何が言いたいかっていうと、たしかに「男は草食化してる」ということ。そしてその原因なんですけど、「エネルギーの分散」にあるんじゃないでしょうか。
僕は「何か(誰か)を好きになれる」ってある意味才能だと思ってます。もちろん何か突発的な出来事があっていきなり、ってことはあるんだけど、大抵何かを好きになる時ってたくさんエネルギー使うんです。いったんエンジンかかっちゃえば後は楽なんですけどそうなるまでが大変だし、面倒くさい。つまり何かを好きになる前には壁がある。もともと持っていた趣向と全く関係ないものなら特にそれがデカい。
しかもここ数年で、「コンテンツ」が多様化した。ネット上のものが特に顕著ですが、たぶん十数年前と比べて格段に趣味趣向の幅が広がってます。以前は暇なときやることと言ったらマンガ読むかテレビみるかしかなくて、アクティブに動こうと思ったらスポーツか恋愛でしょう。でも今は以前からあったものに加え、パソコン一つでいくらでも飽きることなくコンテンツを消費できる。Twitterやfacebook、ネットゲーム、ケータイ、最近だとスマートフォンの登場も大きそうです。
好きになるにはたくさんエネルギーが必要だし、持ってるエネルギーの総量は人によって違います。エネルギーの量が大きい人はたくさんのものに深く傾倒できるし、一つのものに全力で集中することだってできる。一方(エネルギーが)少ない人は一つか二つのものに、そこそこのエネルギーを注ぐ。それでも昔はコンテンツの数自体少なかったから、まぁ恋愛でもしますかって人もいたのかもしれないです。ただ恋愛ってかなりのエネルギー使うし、興味なかったり向いてない人にはそう簡単に手を出せないですよね。
でも今は違って、多種多様なコンテンツがあり、しかもそれは「好きになる」ためのエネルギーがかなり少なくてすむようにできている。一言でいえばとっつきやすい。だからエネルギーの総量が少ない人でも広く浅くいろんなコンテンツを楽しめるのです。これはエネルギーの総量が多くない人、特に男性に大きな変化をもたらした。その結果(1)「男性全体の草食化」が進んで、エネルギーの総量が大きい人、もともと恋愛にコミットできるくらいエンジンがかかっている人(恋愛が好きな人)はそのまま肉食系に、少ない人はその他のコンテンツへといった具合に(2)二極化(恋愛とそれ以外)。恋愛は以前のようなメインコンテンツではなくなり、one of themになってしまった。
そんな状況でたまたま恋愛に消極的な男子にスポットが当たり、広まった。こんな感じかなと思ってます。ポイントは「コンテンツが増えても使えるエネルギーには限界がある」ってことと、「人によってエネルギーの総量は異なる」ってことです。ヒソカ風に言うと、今の草食系男子たちは「容量(メモリ)の無駄使い」をしてるんです。無駄使いと言っても、そもそも恋愛したくないなら別に関係ないんですけどね。
ただ草食系と呼ばれてるような男子も、(見た感じ)恋愛に興味あるかないかでいえば「ある」って人が大多数。でも恋愛って疲れるし正直めんどい・・・そんな人も退屈せず過ごせるのが今の時代。恋愛するにも才能がいる時代なのかもしれない。
以上です。
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