本当の「熱意」の伝え方/プレゼンテーションの3つの秘訣

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先日言語学の大学教授から演説・プレゼンについての講義をききました。それで結構「ほう」って思ったので、忘れないうちにここで書きとめておくとともに、このブログを読んでくださってる方にもフィードバックできればいいなと思いました。

今回僕が書くのは、プレゼンを聴いている相手に強いインパクト、強烈なインプレッションを与えるにはどうすればいいか、ということです。

その「熱意」は伝わっているか

プレゼンをするときって、内容を相手に伝えようと真剣に話すでしょうから、熱が入りますよね。もちろんそれは間違っていないのですが、その熱意はちゃんと、相手に伝わっているでしょうか。自分は頑張って話しているのに眠そうな顔や、退屈そうによそ見をされていたら、がっかりしますよね。

でもそういう時って、こちらの伝え方にも問題がある場合が多い。


政治家の街頭演説を聴いたことがあるでしょうか。選挙前など、駅前のロータリーでよくやっていますよね。
その演説はまさに、政治家や立候補者が、国民に「熱意」を伝えようとする場ですが、どうもその質はまちまちです。一方的に「ご協力をお願いします!勝たせてください!」と訴えるものから、思わず耳を傾けたくなるような、聴いていて興味深く、面白い演説まで。その差はいったいどこにあるのでしょうか。

まさにそこが、今回書こうとしていることなのです。

人は聴きたいことしか聴こうとしない

アメリカの有名なスピーチライターにフランク・ランツのいう方がいます。その方の言葉に

It's Not What You Say,
It's What People Hear

というものがあるそうです。直訳で、「あなたが何を言うかではない。人が何を聴くのかということだ」という意味になります。この言葉が表す通り、人というのは自分が聴きたいと思ったことしか聴いてくれない、聴けないものなのです。

ではどういうものなら聴きたいと思えるのか?
何が必要なのか?


完璧な論理構成?情報量?数字?はたまた話者の熱い想い・精魂?


どれも否定はしませんが、決定的な部分が欠けている。
それはズバリ、「聴き手の感性と感情に訴える」ということです。

3つの秘訣

オーディエンスの感性と感情に訴えかけること。これが相手に強いインパクトとインプレッションを与えるのに必要です。そのための秘訣が、以下の3つのポイント。

・Personalize
・Humanize
・Dramatize

では順番に見ていきます。

①Personalize~個人的なこと・価値観を語ろう

まずは最初のPersonalize。つまり相手に対して、個人的なこと、価値観となる部分を語るということです。人はそういったものに惹きつけられ、注意を向けるからです。

僕はこれをきいたとき、メディアで連日報道される芸能人のスキャンダルが頭に浮かびました。芸能人とはいえ赤の他人であるにも拘らず、その熱愛や結婚、離婚騒動などプライベートな話に人は興味津々です。

それが単なるスピーチでも、「昨日こんなことがあって」みたいな話から入ってくると思わず「おっ、なになに?」ってなりませんか?そこでワンクッション置いて一気に注意と関心を集めるのです。それをきいた聴き手は話し手になんとなく親近感を抱くので、その後のスピーチにも引き続き、真剣に耳を傾けてくれるというわけです。

②Humanize~人間味を出そう

次にHumanize
これもきいたとき、「あぁなるほど」と思いました。

中学や高校で人気があった先生って、やたら人間味ありましたよね。廊下ですれ違うたびに生徒に話しかけたり、逆に話しかけられたりするような先生って、人間臭くて面白い人が多かった気がするんです。

それで肝心の授業はどうかといえば、これが不思議と、みんなちゃんと聴くんですよね。
あんまり厳しくないからって、だらけたり不真面目になったりしない。むしろ逆です。

それで時々雑談を挟んでくれたりすると良い感じに僕ら生徒もリラックスして、授業にメリハリが生まれる。その雑談と一緒に教科書の内容も良く覚えていたりして、結果テストも上手くいくので、ますます授業が楽しくなる。


これってつまり、話者と聴き手の壁を取っ払うことなんじゃないかと思うんです。


スピーチする側とそれを聴く側だと、どうしても話し手の方が立場が上です。これは実際はどうかという問題ではなく、感覚的なもの。

ですがその見えない壁を取っ払って、話し手が聴き手と同じ目線にまで降りてきてくれることで、こちらもその話が聴きやすくなる。聴くことへのストレスが緩和されるのです。

③Dramatize~劇的に

最後はDramatize、劇的にするということです。

これも言葉通りですが、話の中で聴き手を驚かせるってことですね。
「相手の感情を揺らす」という意味では一番効果的で、かつ難しいポイントかもしれません。

スピーチに思わず「ええっ!」となるような要素を入れる。聴き手をびっくりさせるのです。

ですが正直・・・僕はこれを聴いて、こりゃ難易度高いな~と思いました。なかなかの高等テクニック・応用技ですよね。ぱっと思いつくのは、誰もが常識だと思っていたことを覆すような主張とか、アイデアです。もちろんそれはきちんとした根拠に基づくという前提ありきですが、聴き手へのインパクトという点では効果テキメンでしょう。
既にプレゼンの経験が豊富で、テクニックにも自信がある方は是非、このポイントも取り入れてみてください。

まとめ

以上、プレゼンでの「本当の熱意の伝え方」ということで書いてきました。
ポイントは、相手の「感性と感情」に訴えるということです。

一方的な主張でやたら熱く語るのではなく、聴き手の目線に合わせて「共感」を得ることが大事なんですね。
もちろん話の内容も大事ですが、単にスピーチのロジックやデータの羅列に終始するのではなく、相手に伝えるためにはこの情報+情緒組み合わせがものを言うのです。ここを勘違いしている人が多い。


と、ここまで偉そうに書いてきましたが、僕自身まだこれを意識してプレゼンに臨んだことはないんです。
こうして書き残しておくことでまた見直せるだろうなと思って、今回のエントリーを書きました。是非みなさんも活用してみてください。
では。


(関連エントリ)
【追記】本当の「熱意」の伝え方/プレゼンテーションの3つの秘訣 - ゆーすとの日記

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