「好き」の壁を超える

「好き」の壁について。

 

いきなりですが、僕は世の中のものは大抵、その気になれば好きになれると考えてます。「好き」の壁を越えさえすれば。

「好き」の壁とは何か。これは人が何かを好きになるときに超える壁のことです。

はい。そのまますぎるのでもう少し説明を加えましょう。

物語形式にしてみた。

 

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春。桜が咲き誇る中、A男くんは胸を躍らせてはてな中学校の校門をくぐります。

A男くんは新入生、今年から中学生です。

 

中学生といえば、小学生とは違い、部活があります。A男くんはそれをとても楽しみにしているのです。入学式から数日後、さっそく部活の体験入部がはじまりました。A男くんは友達に誘われ、サッカー部に行ってみることにしました。

 

サッカー部の先輩はみなとても気さくで、A男くんにもフレンドリーに話しかけてくれます。体験入部では先輩や同じ新入生を交えた練習や試合に参加します。A男くんはなんとなく楽しそうだなと思い、サッカー部への入部を決めました。

 

しかしサッカー部の練習は体験のときとはうって変わり、とても厳しいものでした。顧問の先生やコーチの指導、週7日毎日ある練習で、A男君はへとへとです。もともとサッカー経験者であったり、運動神経抜群な一年生についていけなくなってきました。失敗ばかりのA男くんに、先輩からもきつい声が飛びます。もうやめようかな・・・そんな気持ちになることも多くなってきます。

 

そんなある日、たまたまTVをつけたら、Jリーグの試合をやっていました。なんとなくそれを観ていると、ある選手がFKで見事なミドルシュートを決めたのです。A男くんは思わずすごい!と叫んで、その後も試合に見入ってしまいました。

その日以降、A男くんはもっとサッカーを頑張ろうと決め、練習に打ち込みました。毎日一番最初にグラウンドへ出て自主練習を始め、一番最後まで残ってグラウンドの整備をして、ストレッチを終えてから帰ります。家に帰ってからもお風呂に入る前に近くの公園でランニングをします。

 

最初はそれでも、辛くてたまりませんでした。ランニングはとてもきついし、リフティングは何度やっても上手くいきません。さらに特訓を毎日やるようになってからも、練習ではほとんど成果が出ないのです。A男くんもさすがに、心が折れかけて、やけくそになりかけていました。

ですがその数日後、A男くんにFKのチャンスが回ってきます。そしてA男くんは見事1点決めるのです。自分の初得点に大喜びです。

 

それだけではありません。その日からは不思議と、試合でも練習でも、力を発揮できるようになったのです。周りの仲間も認めてくれるようになります。

 

A男くんはだんだん、いえ、俄然、サッカーが楽しくなってきました。。。。

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・・・まぁ、どこにでもありそうなA男くんのサクセスストーリーなんですが、なんとなく伝わったでしょうか。

何が言いたいかというと、何かを好きになるためには、それ相応の苦労を伴う、ということなんですね。逆に言えば、それ相応の時間と労力をかければ大抵のものは好きになれる、ということです。最初は好きでも何でもなくても、むしろ嫌いであったものでも、ちょっとしたきっかけ+経験(知識)の濃度が一定の値を越えれば、何でも好きになれる。

 

僕自身の経験談で言うと、受験生時代に勉強していた古文ですかね。

ホント、最初は大っ嫌いでしたからね、古文。もう見るのも嫌だった。何が「いとをかし」なのかさっぱり。

 

しかしギリギリになって、こりゃいかんと思って、流石に単語とか覚え始めました。半泣きで。文法とかもクソめんどかったですね。なら、なり、に、なり、なる、な・・・あぁ~テレビ見たい・・・みたいな調子でやってました。

それでしばらくして、あるとき問題集といてたんですが、50点中35点取れたんですよ。なんだ7割じゃんってかんじですが超嬉しかったですね。やべーできるじゃん俺!って。あとから考えると、あれ、相当簡単な問題集でした。そんなこと関係なしに喜んでた俺は俄然やる気が出て、古文がんばってみようかなと思い始めたんです。結局その時すぐやった問題は7割どころか半分いくかいかないかくらいだったんですけど、最初の7割を信じて食らいついてやってると、だんだん点取れるようになってきました。ここで俺思いました。「古文、いとをかし!」と。

 

「好き」の壁超えました。

 

この時俺は思いました。嫌いだったり好きじゃないものっていうのは、単にそれについて知らないだけなんだと。あんなに嫌いだった古文すら好きになった。ということは、この世のものは大抵、好きになれるんじゃないか?と。

 

もちろん個人的な体験なので普遍性があるかはわかりません。ですが自分の経験から言って、好きになれるかどうかは「きっかけ」+「経験(知識)の濃度」にかかっていると思うのです。いわばこの臨界点が「好き」の壁です。

 

以上です。

 

 

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