今週読んだ本

世にも奇妙な君物語

世にも奇妙な君物語

世にも奇妙な君物語

著者の本は『何者』を読んで以来かな。
以前インタビューで「『世にも奇妙な』の原作を書いてみたい」と言ってるのを見て、ちょっと前に本屋でこれを見かけて、「ああ、書いたんだ」と思って手に取った。そんな経緯もあって、さぞ力作だろうと無意識に期待値が上がってしまったのかもしれない。あまりピンとこなかった。社会風刺的な話がほとんどだけど、その点でいえばまだ『何者』のほうが刺さるものがあった。SFっぽい要素も大きいのだけど、それがむしろノイズになって読み味が中途半端になってる気がする。悪い意味で「事実は小説よりも奇なり」を実感したかんじ。5本目の「脇役バトルロワイヤル」はちょっと面白かった。

六花の勇者

最新巻まで読破。6巻でちょうど第一部が完結するのですっきりした。アニメも見直した。
内容はミステリ要素のあるファンタジーといったところ。ラノベはあんまり読まないけれど、その中でもかなり読み応えのある部類じゃないかと思う。謎解きが物語の大きな軸になるファンタジーという点では、ハリーポッターとか近いかもしれない。他だと米澤穂信の『折れた竜骨』なんかも思いつくけど、あれに比べるとミステリとしての出来はやや落ちるかな。どっちにしろかなり好みなジャンルなので一気に読み終えた。
ミステリというと謎解き主体で静かで動きのないシーンが長々と続くのかと思われるかもしれないが(実際そういう部分もあるけど)、戦闘描写もかなり多めで退屈はしない。キャラクターもなかなか魅力的で、ラノベにありがちな主人公ハーレムみたいにはならず、むしろ徹底的に地獄へ突き落とされる様がかわいそうになるレベル。6巻読み終わっての最初の感想は「この作者、ドSすぎる」であった。

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